【記事訳】『オクラホマの幽霊ホテル』

via The Oklahoman

The Skirvin

シカゴ・ブルズの選手は“彼女”がトイレのドアを音を立てながら閉めたと言った。フェニックス・サンズの選手は“彼女”がバスタブに水を入れたと言った。ロサンゼルス・レイカーズの選手は“彼女”にいたずらをされたと言った。

NBAに携わるほぼ全ての人が“エフィー”に関するネタを持っている。“エフィー”とはオクラホマ中心街にある The Skirvin Hotel を彷徨うと噂されている幽霊だ。

「あまりにたくさんの話がありすぎる、あそこでは何かが起こるんだ」

元ニューヨーク・ニックスのセンター エディ・カリーは怯えていた。2010年サンダー戦の前には、あまりの恐怖で夜をチームメイトのネイト・ロビンソンの部屋で過ごし、2時間ほどしか寝られなかったと言った。

幽霊の話はNBAの他の街にもあった、有名なのはミルウォーキー中心街の The Pfister Hotel やバークリーヒルズにある The Claremont Resort、The Swanky Oakland Hotel などだ。しかし、どのホテルも The Skirvin ほど全米の注目を集めることはなかった。その逸話はニューヨーク・タイムズ、ニューヨークデイリーニュース、ESPNなど大手メディアで時系列をまとめられた。故クレイグ・セイガーはTNTの番組 Inside the NBA のためのネタとして The Skirvin で一夜を過ごした。ビル・シモンズは一度エフィーと出会った話を書いたことがある。レジー・ミラーは寝ている間にペットボトルの場所が変わっていたことを語っていた。

ネイト・ロビンソン175cm エディ・カリー213cm

言い伝えによると、エフィーはホテル創設者ビル・スカービンとの子どもを身籠った家政婦だ。恥をかきたくなかったスカービンは10階にエフィーを監禁。うつ状態にあったエフィーは子どもが産まれたときに赤ちゃんを抱きかかえたまま窓から飛び降り、共に亡くなった。1911年にオープンしたホテルは、サンダーが創設される1年前の2007年に再オープンするまで改修により20年近く使われていなかった。そこからエフィーはドアを叩いたり、引き出しを開けたり、廊下で騒音を立てるなどのいたずらをする幽霊として知られるようになる。赤ちゃんの泣き声で起きたと報告する客もいた。

2016-17シーズン、レイカーズのルー・ウィリアムスとラリー・ナンスJr.は2人で The skirvin での宿泊をキャンセルし、自分たちで別のホテルを選んだ。エフィーと遭遇する可能性を避けたのだ。「そんなお遊びに付き合ってられないぜ」、おそらくホテルについてウィリアムスは言っていた。「自分の心の平静を保つためならお金を払う。お化けが出ると言うなら、そうするよ。一か八かなんてしない」

一方、チームメイトのメッタ・ワールド・ピースは同じ滞在で幽霊にいたずらされたと言っていた。「お化けが常に周りにいた」、真面目に話し続ける。「そこら中でオレに触ってきた、変なところも触られたから幽霊と裁判所で争うつもりだ」

2015-16シーズンには、マイアミ・ヒートのジャスティス・ウィンズロウとタイラー・ジョンソンが夜中に洗面所で勝手に蛇口から水が出てきたという話を聞いて、あまりに怖くて一緒に部屋で過ごした。次のシーズン、ウィンズロウは朝シャワーを浴びていたら勝手にドアが動き始めたと話した。「本当なんだ」、ウィンズロウが力説する。「できる限りこの遠征を早く終わらせたかった。できる限り部屋で過ごす時間を減らすために下のバーで座って食事をした。TVでフットボール見た。部屋にはそんなにいないように」

しかし、リーグでもタフなことで知られるベテランチームメイトのウドニス・ハスレムは幽霊を怖がっていなかった。「オレの部屋に幽霊が来たらとんでもないことになるだろうね。命をかけて戦うことになるから他の部屋に行くだろ。“私、次の部屋行きます。くそ、この部屋はダメだ”ってな」

幽霊が“命を懸けて戦う”はジョークなのか、ハスレムなら本気かもしれないが

The Oklahoman(オクラホマの地元新聞社)の不動産担当でホテルの歴史について書かれた本“The Skivin”の共同著者であるスティーブ・ラックマイヤーはその全ての逸話に懐疑的だ。「エフィーが存在しているとは思いません。血塗られた結末を迎えたメイドがいたとしたら、今まで語られていなかったはずがありません。ここは小さな街ですからね。」

元サンダーのタボ・セフォローシャのように、幽霊の話は単に相手チームの敗北につながると考える人もいる。会見でThe Skirvin について聞かれたサム・プレスティGMは一度そのホテルがサンダーの秘密兵器になりうるとジョークを言っていた。

「小さくて暑いロッカールームもあるからね、それ(幽霊ホテル)が我々のホームコートアドバンテージだ」

Darnell Maberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.307-309
カイリー・アービングは The Skirvin を題材にした映画に主演予定、2019年の情報だがその後どうなったのかは不明

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補足

プレスティのジョーク

最後のプレスティのジョークについて。

NBAにはビジターのロッカールームが狭くて居心地の悪いアリーナがある。特に2017年に移転するまでサクラメントのアルコアリーナは狭いビジターロッカーで有名だった。

サクラメントでロッカーの数が足らずパイプ椅子だけ用意されるタリック・ブラック

プレスティのジョークは他のチームが狭いビジタールームでホームコートアドバンテージを得ているように、サンダーもThe Skirvin の存在するかも分からない幽霊の噂でホームコートアドバンテージを取るぞ、という意味。

ちなみに他にはステイプルズセンター(レイカーズ、クリッパーズ)、アメリカンエアラインズセンター(ヒート)、改修前のマディソンスクエアガーデン(ニックス)あたりもビジターロッカーが狭いらしい。

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借り暮らし

どうやら The Skirvin はビジターのチームだけでなく、サンダーに入団した選手が新居を借りるまでの間仮住まいとしても利用されていたよう。

ラッセル・ウェストブルックやジェームス・ハーデンも何泊かしたし、タボ・セフォローシャは約1ヶ月ほど滞在している。

そんなセフォローシャが The Skirvin で寝られなかったという対戦相手に向けた言葉は

「そんなの言い訳だ」

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参考記事

!https://www.oklahoman.com/article/3783291/thunder-reaction-to-haunted-hotel

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