【2020オフ】サンダー トレード/FAまとめ&プレスティ最初の大改革振り返り

クリス・ポール、デニス・シュルーダー、ダニロ・ガリナリ、スティーブン・アダムスなど主力選手を一気に放出し若手中心のメンバーに切り替えつつ将来のドラフト指名権をかき集めたサンダー、そしてそれを遂行したGMのサム・プレスティ。

大胆な改革を行ったプレスティだが実は主力大放出をするのは今回が初めてではなかった?

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2020年オフのサンダー

1回のオフで11度のトレード(NBA記録)を行い全く違うチームに生まれ変わったサンダー。

プレスティ曰く「長い目で見た上での決断」だったそうだが、あまりにもバッサリいきすぎでショックを受けたファンも多かったのでは。

特にサンダーファンみんなのお気に入りアダムスのトレードは覚悟していたとは言えショックが大きかったはず。

ここまでする必要はあったのか?過去サンダーが辿ってきた道筋を振り返りながら考えていく。

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2007年オフのスーパーソニックス

2007年オーナーが代わるとともにシアトル・スーパーソニックスのGMには若干30歳のサム・プレスティが抜擢された。

当時のソニックスはレイ・アレン、ラシャード・ルイスの2枚看板にドラフト2位指名権(この指名権でケビン・デュラントを指名する)があり、シアトルファンにとって翌シーズンは楽しみなシーズンになるはずだった。

しかし、プレスティが最初に行ったのはチームのエース、レイ・アレンのトレードだった。さらにその一週間後にはラシャード・ルイスもトレードした。

ソニックスファンはサム・プレスティの首をとりたかった。

正直に言うと今でも多くの人がそう思っているだろう。

 ダーネル・メイベリー(当時オクラホマ地元記者)

Darnell Mayberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.310

レイ・アレンのトレードはシアトルでは大ブーイングだったそう、いきなり来た若造(30歳)がチームのエース(32歳)をトレードしたら当然なのかもしれない。

ただし、選手はそうは思っていなかったそう。

はじめから合理的なことだと思ってた。自分たちはめちゃくちゃ成功しているチームでもなかったし、やらないといけないことの1つだった。正しい決断だったと思う。

 ニック・コリソン

Darnell Mayberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.312

ここ数年チームはノースウエストディビジョンで下位に沈んでいた。ここで方向転換するのが正しく思えた。

 レイ・アレン

Darnell Mayberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.312

結局、レイ・アレンのトレードでソニックスはドラフト5位指名権を獲得し、移籍したレイ・アレンは翌年セルティックスで優勝した。

一方、ラシャード・ルイスはマジックへサイン&トレードで移籍、その際ソニックスはトレードエクセプション(TE)を獲得した。

その後、そのTEでサラリーダンプを計画していたサンズからカート・トーマスを引き受ける代わりにドラフト1巡目指名権を2つ獲得し(その内の1つがサージ・イバカになる)、さらに獲得したカート・トーマスをスパーズにトレードしもう1つ1巡目指名権を手にした。

※つまり、FAだったラシャード・ルイスでドラフト指名権を3つ巻き上げた。

6年118ミリオンという超大型契約でマジックに移籍したラシャード・ルイス

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中心選手を放出することで指名権を得たソニックスだったが狙いは指名権だけではなかった。

(20勝62敗の成績だったルーキー時代を振り返って)辛い敗戦だったけど、そのおかげで今がある。たくさんの責任を負うことで早く成長できたし、よりよいリーダーになれた。もし彼ら(アレンとルイス)がいたら、自分が責任を負うこともなかったからね。

 ケビン・デュラント

Darnell Mayberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.313

ソニックスはルーキーのKDにすべてを託すことでいち早くチームの大黒柱へと育て上げた。翌年オクラホマへ移転しサンダーへと名前を変えラッセル・ウェストブルックを指名、その翌年にはジェームス・ハーデンを指名。

サンダーは2010年プレーオフ出場、2011年カンファレンスファイナル進出、2012年にはファイナル進出、と着実に優勝へむけて歩みを進めていった。

サム・プレスティは(レイ・アレンとラシャード・ルイスのトレードで)フランチャイズを潰そうしたのではなく、救ったのだった。

ただシアトルのファンはそれが実るところを見られなかったが。

 ダーネル・メイベリー(当時オクラホマ地元記者)

Darnell Mayberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.313

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これからのサンダー

2007年、主力のトレードでドラフト指名権をかき集め、若手の役割を大きくし、ドラフト高順位で立て続けに将来のMVPを指名することで優勝まであと一歩のチームを作り上げたサム・プレスティ。

当時の同僚はこんな発言をしている。

プレーオフにいったかと思えば翌年は不出場といったまあまあのチームになることはこのリーグではやってはいけない。まあまあのチームだといいドラフト指名権を手にすることはできないし、そうなると成功し続けることは難しくなる。ときには2歩進むために1歩下がることも必要なんだ。

 リッチ・チョー(2007年当時アシスタントGM)

Darnell Mayberry『100 Things THUNDER FANS SHOULD KNOW & DO BEFORE THEY Die』、TRIUMPH BOOKS、2017、p.313

昨年のチームは見ていて楽しかったが優勝できるかと問われると難しい、いわゆる“まあまあのチーム”だった。

2007年、主力2人を放出してドラフト指名権を4つ獲得しても優勝できなかったプレスティは優勝をするためにそれ以上のことをしたのかもしれない。

だから、最初の「ここまでする必要はあったのか?」という問はプレスティにとっては愚問。

アダムスをトレードした際、プレスティは「辛かったけど、組織のことを最優先に考えて実行した」と言っていた。

2007年は3年連続でMVPを指名したが優勝できなかったサンダー、優勝のためにそれ以上のことをするとしたら?

ともかく新生サンダーは始まったばかり、これからどうなるのかサンダー、選手たち、プレスティが結果を追い求めていく過程を楽しみたい。

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