モーゼス「恋しちゃったんだ」

今シーズン、2way契約から本契約を勝ち取ったモーゼス・ブラウンについて。

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バスケットボールに恋した少年

モーゼス・ブラウンは怒っていた。

背が高いというだけで余計な注目を浴びて、知らない人からもいつも「身長は何cm?」と聞かれることに。

小学校では先生と目も合わせずに椅子の背にもたれて座ったし、地下鉄や市バスでは周りの視線が怖かった。あまりにも怖がるので父親マルコムは車でモーゼスを学校に送るようになった。

そんなモーゼスを変えたのがバスケットボールとの出会いだった。

街のハイレベルなストリートボールの試合を見たのをきっかけにモーゼスはバスケットボールにのめり込んでいく。マルコムが学校へ送るとモーゼスは学校のバスケットコートに一目散に走っていき、授業の前にバスケットをするようになった。

テレビゲームするよりも、マンガを読むよりも家で遊ぶよりもバスケットボールをすることが大好きだった。やることも見ることも全部バスケットボールだった、バスケに恋しちゃったんだ。

 モーゼス・ブラウン

モーゼスは他のビッグマンたちとは違った、彼らは背が高いからバスケットボールをやるように言われてプレーしていたが、モーゼスは自らの意志でプレーしていた。

彼は練習が大好きなんだ。チーム練習が終わったら、別の場所に行ってスキルやアジリティーのワークアウトをするんだから。

 マイク・マクリアリー(高校時代HC)

バスケットボールに熱中し始めると、周りの視線を恐れていつもイライラしていたモーゼスはいなくなっていた。

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憧れのカイル・アンダーソン

地元ニューヨークでモーリー高校に入学したモーゼスは入学時から201cmあった身長を活かして活躍した。強豪校へ転校する噂もあったが地元でのプレーを好んでいたモーゼスは最後までモーリー高校でプレーした。(1年後輩のコール・アンソニー(現ORL)はモーリー高校から名門オークヒルアカデミーに転校した)

しかし、モーゼスは大学選ぶ際にニューヨークに残ることを考えずあっさりUCLAを選択した。

213cmあってニューヨークにいたらよくないことを吹き込まれる、“自分だったらこうする”とか。UCLAはそんなことをしなかった、だからモーゼスが始めからそこに行きたがっていたことは知っていたよ。

 マルコム・ブラウン(モーゼスの父親)

モーゼスは同じくニューヨーク出身でUCLAに進学したカイル・アンダーソンが206cmの身長でPGを任されていたこと、つまりUCLAはポジションにこだわらないを知っていた。

彼はボールハンドルができて、大きくて背が高いガードだった。そういう風に自分もなりたかった。よくカイルみたいになろうとハンドリングの練習をしていたんだ。

 モーゼス・ブラウン

レブロンやコービーを差し置いてカイル・アンダーソンをモデルにする選手モーゼス以外に地球上にいる?しかも本人とは全くプレースタイルが違う。

UCLAに入学するとカイル・アンダーソンのようにポイントガードを任されることはなかったが、開幕からスタートで起用され19得点、17リバウンをあげた。UCLAのデビュー戦でこの数字はモーゼスと同じ218cmカリーム・アブドゥル・ジャバー(NBA通算得点ランキング1位の超レジェンドセンター)以来のスタッツだった。

どんな人でもカリームの引き合いに出されるのは大好きだろうね、彼はレジェンドだから。

 モーゼス・ブラウン

もし彼みたいな必殺技(スカイフック)を身につけることができたら、自分もアンストッパブルな選手になれるだろうね。

 モーゼス・ブラウン

「へえ、カリーム以来のスタッツってすごいじゃん」と思って調べたらカリームのUCLAデビュー戦のスタッツが56得点、21リバウンドで笑った。

カリームから「いい練習を続けなさい」と直接アドバイスを受けたモーゼスはルーキーシーズンで平均9.7得点、8.3リバウンド、1.9ブロックの成績を残しNBA入を表明した。

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メンター:ルー・ドート

スカウトに「ジョーク」と言われたシュート力(大学通算FT35.2%)など技術的に未熟だったモーゼスがドラフト指名されることはなかった。

しかし、2年目にサンダーと2way契約を結ぶとGリーグバブルから帰ってくるや否や驚異的なスピードで成長を遂げて見事本契約を勝ち取った。

成長の秘訣は周りの選手やコーチの言うことをよく聞くことだそう。

あいつは周りの話をしっかり聞く。そのアドバイスを受け取って、試合で使う。モーみたいにこのリーグで地位を確立させようとしている選手にとって“Coachable”(「指導可能」、つまりコーチの指導をよく聞くこと)であることが一番でかいことなんだ。

 ケンリッチ・ウィリアムス

(前半だけでダブルダブルを記録したMEM戦後のコメント)あれが彼がゲームに与えるインパクトなんだ、ディフェンスでもリバウンドでも存在感がある。ゴール下のフィニッシュもどんどんよくなっている。彼の落ち着きっぷりや、学ぼうとする気持ちにはずっと感心してるよ。

 アル・ホーフォード

中でもモーゼスにとって心強いメンターだったのが前年2way契約から本契約を勝ち取ったルー・ドート。

ルーにはコートでやるべきことをやり続けたらいつか本契約が手に入る、何とかなるもんだと言われたんだ。

 モーゼス・ブラウン

ドート大先生の言葉通りリバウンドとゴール下のシュートを一生懸命やり続けたことで本契約を手にしたモーゼス、攻守で技術的にはまだまだだけど持ち前のハッスルと学習意欲でこれからの更なる成長に期待したい。

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おまけ:○○キャラ

モーゼスはおそらく天然おバカキャラ。

最近、「モーゼス、一生懸命スクリーンかけてるけどそこに誰もいないよ」とか「モーゼス、ボードにあたった後のボールに触ったらゴールテンディングだよ」とか、親のような気持ちで試合を見てモーゼスから目が離せなくなっている自分がいる。

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