サンダーを支える暴力的な小さいセルビア人 ダーコ・ラヤコビッチ

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ちっちゃいセルビア人

マジな話だけど、彼はオレのお腹を殴るか腕をひっぱたくんだ、しかもめちゃくちゃ強く。で、言うんだ「フリースローを決めろ」ってね。その手のプレッシャーがあると、自分がやらないといけないことに集中できる。彼の狙いはそれだよ。全然楽しくない、楽しいなんて言ってないぜ。小っちゃいセルビア人に叩かれるんだ、全然楽しくないよ。


 スティーブン・アダムス

これは昨年11月に書かれたアダムスのフリースローに関して、アダムスがどういう練習をしたか、という記事より引用したコメント。

この記事が書かれたとき、アダムスのフリースロー率は81.6%で、はじめの3年間合計55.1%と比べると物凄い成長だと分かるはず。今回、紹介するのはアダムスを殴るこの”小っちゃいセルビア人”、ダーコ・ラヤコビッチ(Darko Rajakovic[1]発音は”Rahj-a-KOE-vich”)、サンダーのAC(アシスタントコーチ)

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超早熟、選手よりも若いコーチ

ダーコは37歳でコーチ歴21年という異例のキャリアの持ち主。なんでも10歳でバスケットボールを始めて16歳のときにこんな考えに至ったそう。

単なる平均的な選手になんかではなく、トップ選手になりたかった。自分は(背が低いから)その夢を叶えることが出来ないと気付いて、選手をやめたよ。でもバスケットボールなしでは生きられなかった。

 ダーコ・ラヤコビッチ

地元のユースチームでACを始めたダーコ、そのチームには元チームメイトや当然、自分より年上の選手もいたとのこと。

ヨーロッパで経験を積み、25歳のときにはサンアントニオ・スパーズのサマーリーグのコーチに就任。そこで選手のローテーション、練習のプラン、トレーニングのスケジュールなどを学ぶ“スパーズ”と聞くだけで急に漂い始める有能感。ちなみにサンダーのGMサム・プレスティも当時スパーズで修行しており、ダーコとプレスティは2004年来の知り合いだそう)

2012年には、タルサ・66ers(現オクラホマシティ・ブルー)のHCに就任し、北米以外の出身者初のDリーグHCに。2014年にサンダーのACに就任、サマーリーグではHCも務めていた。

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ロバーソンとの二人三脚 

サンダーにおいて、ダーコの最も大きな功績はロバーソンの育成。

ロバーソンは大学時代PFとしてプレーしていたがNBAではSGにコンバートしたため、シュートやハンドリングなどオフェンス全般でスキル不足だった(今でもオフェンスはまだまだだけど、2,3年前は試合中ドリブルしているところすら見た記憶がない)

ダーコはDリーグ時代からそんなロバーソンのコーチをし続けており、今ではロバーソンのメンター(シュートなどのワークアウトだけでなく、試合のビデオを見たり相手のセットプレーの確認したりなども一緒にしているそう)でもあるとのこと。

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2016年オクラホマに行った際に撮った写真、試合前のシューティングをかなり念入りにしているロバーソンとパスを出すダーコ

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ドノヴァン曰く、何回も同じことを繰り返し「何が良くて何が悪いのか」を考えさせシュートに一貫性を生み出す(いつでも同じシュートを打てるようにする、ということだと思う)のがダーコ流だそう。アダムスのフリースローがまさにこれに当てはまると思う。

チーム練習後に個人練習をするロバーソンとダーコ 

コーナースリー、3Pとオフェンスで武器を増やしてきたロバーソン(入るとは言ってない)、今シーズンはハンドリングの上達が著しくキャンプの時点で番記者たちも驚いていた。最近はドライブから強烈なダンクをぶちかましたりも。

また、開幕当初スランプで出番が少なくなっていたアブリネスもダーコと一緒にワークアウトすることでこれを克服したとのこと。

アダムスのフリースロー、ロバーソンの成長、アブリネスのスランプ脱出、今のサンダーを支える選手を支えるダーコ、まさに縁の下の力持ち。

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追記

2023年オフ、ダーコはトロント・ラプターズのHCに。

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1 発音は”Rahj-a-KOE-vich”
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