シーディングゲーム絶好調フェニックス・サンズを支えるデアンドレ・エイトンのお父ちゃんでもあり、スティーブン・アダムスの親友?でもあるあの人物について。
.
.
アダムスの友だち?
オレたちは親友だ。
スティーブン・アダムス
アダムスが親友と呼んでいるのは昨年までサンダーのアシスタントコーチを務めていたマーク・ブライアント(MB)のこと。MBはルーキーの頃からアダムスの指導役として、ずっとアダムスと二人三脚でやってきた。
(ルーキーのときのサマーリーグを振り返って)マーク・ブライアント、MBの指導を受けることができて良かった。彼はコーチになる前、NBAで15年プレーしたプロ選手で、自分がサンダーに入団した際フォワード担当のアシスタントコーチだった。206cmの身長で体の幅が自分の倍あり、単に指導するだけではなく、一緒に練習をするタイプのコーチだ。そして自分がNBAでやっていくための指導役だった。
試合中いつでもベンチに戻ると、必ずベンチの端に座った。MBの横に座って“どうしたらもっと上手くプレーできるか”聞くことができたから。毎試合、MBが練習すべきこと、試すべきことを教えてくれた。それを疑問に思ったことはなかった、言われた通り正しくやれば、いつでも上手くいったから。
スティーブン・アダムス
Steven Adams『MY LIFE, MY FIGHT』(2018) hachette BOOKS, p.139
MBが大切にしていることは正しいプレーをすること、そしてそれを習慣化すること。アダムスをはじめとしたサンダーのビッグマンたちはそうした教えを叩き込まれてここまで成長してきた。
また、彼らにとって体が大きく温和なMBはまさにお父ちゃんのような存在だった。
マーク・ブライアントに感謝したい。お父さんより彼と過ごした時間のほうが長いよ、彼はここでのお父さんみたいな感じだ。(2012年の発言)
サージ・イバカ
しかし、そんなお父ちゃんは2019年のオフにサンズに引き抜かれてしまう。
.
.
スポンサーリンク
エイトンのお父ちゃん
サンズでのMBの役割は昨シーズンドラフト1位で入団したデアンドレ・エイトンの指導。
エイトンとMBのコンビはこの夏からずっと一緒に練習して、すばらしい関係を築き上げている。今朝も体育館にきたら二人は既に汗びっしょりでポストの練習をしていた。
モンティ・ウィリアムスHC
MBをサンズに引き抜いたのは元サンダーACのモンティ・ウィリアムスHC。モンティはアダムスの指導役としてMBのことを高く評価しており、エイトンにもその指導を受けさせたかったというわけだ。
MBはたくさん小技や、オレが必要としていることを教えてくれる。オレのプレーを磨いて、味付けをしてくれたんだ。オレの技術を伸ばしてくれたし、技術が増えた。彼のおかげでより力強い動きができるようになった。それをするため、続けるための動き方や方法を教えてくれるんだ。
デアンドレ・エイトン
MBによると、2年目のエイトンがNBAのスピードやフィジカルになれるのにはもう少し時間がかかるが、学ぶ姿勢はすばらしいとのこと。
エイトンの伸び代は彼自身が思っているよりも大きい。言葉にすることはできるけど、彼がどれだけ高みを目指すか。それが一番大きなことだ。
マーク・ブライアント
.
.
スポンサーリンク
追記:パーキンス「MBを紹介させてくれ!」
2020-21シーズン、大躍進を果たしファイナルまで進んだサンズ。
ESPNコメンテーターで元サンダーのケンドリック・パーキンスがMBに対してこんなTweetを。
マーク・ブライアントを紹介させてほしい!彼はトップアシスタントコーチの一人だがそれに値する評価を受けていない。ドワイト・ハワード、サージ・イバカ、ケビン・デュラント、そしてラッセル・ウェストブルックに彼のインパクトについて聞いてみてくれ!今まさに、彼がデアンドレ・エイトンに同じだけのインパクトを与えているのをみんなが目の当たりにしているんだ。
ケンドリック・パーキンス
これにケビン・デュラントやマーク・マドセン(元LAL、MIN)、ダーコ・ラヤコビッチ(元サンダーAC、現在はMEMのAC)が反応。
自分がマーク・ブライアントですごいと思ったのは仕事へ取り組む姿勢と選手との関係構築だ。OKCと対戦したとき、彼はいつも早くアリーナに来て選手たちに教えていた。すばらしい才能と人間性だ。
マーク・マドセン
自分はMBと6年一緒に働けて恵まれていた。彼は私のメンターであり友人であり、そして彼のおかげで選手たちもコーチたちも成長したんだ。“Big fella”「巨人」のおかげで本当にたくさんの人がコート外でも成長した。スポットライトを当ててくれてありがとう、パーク。
ダーコ・ラヤコビッチ
ダーコはMBのことを“メンター”と呼んでいるが、実は同じような発言をサム・プレスティも過去にしていた。
MBがここにいてくれたことに本当に感謝している、自分が出会った中でも本当にすばらしい人物だからね。自分がまだ若いときとても辛抱強く、物事の様々な見方を教えてくれた。
サム・プレスティ
.
.
追記:MB「モンティはこの組織を復活させる」
2019年、MBがサンズのACに就任した際のインタビューを一部抜粋。
Q.フェニックスに戻ってきてどうですか?
戻ってこれてとてもいい気分だ。ここでは2年プレーしたけどバスケットボールでも私生活でもとてもいい時間を過ごせた。ここに戻ってきて、当時と同じ顔も見たよ。自分がここにいたときとは随分代わったけどね、たくさんの人が移ったから。でも全てのことを楽しみにしている。モンティが呼んでくれて嬉しいよ。いいスタッフもいい選手も揃っていると思う。
Q.モンティはどのようにアプローチしてきましたか?
まず、私とモンティはフィラデルフィアで一緒にプレーしているんだ。お互いのことはよく知っている、練習後によく1on1していたもんさ。その後、オクラホマでまた一緒になって、また付き合いが始まったんだ。実は彼がニューオリンズでHCをしたとき(2010年)も私を呼び入れようとしていたんだ。でもそれは結局起きなくて、私はサンダーに残った。時は流れて、また接触してきたってわけさ、そして今回はそれに応えた。彼と一緒にいれて嬉しいよ、彼はスペシャルだからね。彼はこの組織を復活させると思うよ。
Q.モンティとの仕事はどうですか?
本当に最高だ、お互いのことをよく知っているからね。彼は私が選手たちのためにやらないといけないことをやることを分かっているし、信頼してくれている。そして、私も彼が全ての準備をしてくることを知っている、ここにいる全員のことが大好きなことを知っている。彼は持てる全てを選手たちの上達に捧げることを知っている。
Q.サンズのビッグマンとはどういったアプローチで練習をしていますか?
まずは、あの子たちと一緒にいる以上自分のことを知ってもらいたかった。私にとって、バスケットボールは2番目だ。まずは私のこと、どんな人物なのか、何をするのが好きなのか、コーチや選手たちのことをどう思っているのかを知ってもらいたかった。それが一番大事なことだ。どんな人物かが分かれば、一緒にハードワークするようになるもんさ。DA(デアンドレ・エイトン)とはこの夏たくさん過ごしたよ。彼には自分が何が好きで何が嫌いかを知ってもらった。私も彼の好き好みが分かったよ。
Q.エイトンの次のステップは何でしょうか?
次のステップはバスケットボールを学び続けることだ。昨年は試合がとても速く感じたと思う。でも今年は幾分かゆっくりになって、シュートを打つかヘルプサイドに行ってブロックショットをするか、今までとは違って試合が見られるようになったと思う。今年は試合から学び続け、成長し続ければいい。そしたら、他はついてくる。
Q.夏を通してフェニックスでエイトンとトレーニングしたことにどれだけ意味がありますか?
その時間で彼のことをよく知れたよ。彼のフットワークや彼が得意なこと、彼のシュートタッチやできることなんかをね。“OK、こいつはこれはできる。これもできる”みたいな感じだ。彼は私のことを“この人はいつも時間に厳しい、いつでもハードワークを課してくるし、いつでも正直に意見を言ってくる”って思っていたかもね。そうやってこの夏で関係性を築いてきたんだ。
MBの人柄とエイトンへの大きな期待が読み取れるインタビュー。このインタビューの後、エイトンは違反薬物(利尿剤)使用で25試合出場停止処分となった。
.
.
スポンサーリンク
おまけ
2019年にサンダーはアンドレ・ロバーソンの指導役ダーコ・ラヤコビッチACもサンズに引き抜かれている。
サンズでのダーコの役割はバブルでディフェンダーとして注目されているミカル・ブリッジスの指導。
.
.
リンク
ロバーソンの元師匠ダーコ
フェニックス・サンズ