【サンダー名選手列伝】キャメロン・ペイン〜ラスの愛弟子〜

Photo by Kevin Jairaj, USA TODAY Sports

本当に本当に本当に決断するのが怖かった、でもやるしかなかった。

 キャメロン・ペイン

2019年1月、キャメロン・ペインはブルズからカットされた。その後、キャバリアーズと10日間契約を結ぶも本契約には至らず、シーズンが変わった2019年秋にはラプターズの開幕ロスターに残れなかった。

2015年にドラフト14位でNBA入りしたポイントガードはわずか4年でリーグに居場所がなくなっていたのだ。ペインは中国リーグ行きを決断する。

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ラッセル・ウェストブルックとの師弟関係

2015年、サンダーに入団するとペインを一躍有名にしたのはラッセル・ウェストブルックとの試合前のダンスだった。2人が踊るたびにSNSが湧くようになる。

本当はハンドシェイクするはずだったんだ、それがクレイジーになっちゃった。でも特に何かあったわけじゃない。ラスはスーパースターで周りはラスが集中できるようにしていた。自分もその一部だった。

 キャメロン・ペイン

ウェストブルックは同じポジションのルーキーを可愛がっており、様々なアドバイスをしていた。

まずiPadを買うように指示し、ロード遠征の飛行機では常に隣に座って試合のビデオを一緒に見ていた。そして、ロード遠征に欠かせないものを必ず買ってくるようにルーキーに命じていた。それは“Snapple Apple”というジュースだ。

毎回Snappleを買ってこないといけなかった、“Snappleじゃないとだめだ”ってね。そんで本人は先に空港に着いて待ってるんだぜ。

 キャメロン・ペイン

理不尽なように感じるが、実はこれもウェストブルックの師匠としての優しさだった。ペインに緊張感を持たせ空港に遅れないようにするのが目的で、ジュースは何でも良かったのだ。

さすが師匠?

でも買いに行かないといけないせいで遅刻しかけた。ラスは先について座って待ってるんだから。オレたちってそんな感じなんだ、おもしろかったよ。

 キャメロン・ペイン

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師匠を超えろ

チーム練習の5on5でペインとウェストブルックはいつもマッチアップしていた、そこでペインは師匠の異常な闘争心を目の当たりにする。

毎回、ポストプレーをしてくるんだ。“こいつはやべえ、練習でもこんなにハードプレーするんか”って感じだったよ。

 キャメロン・ペイン

打倒ラスに燃えるペインに当時サンダーのACモンティ・ウィリアムスは「ラスよりも先に練習場に行きなさい」と指示した。

ペインは11時からのチーム練習で8:30には来ていた、その時間にウェストブルックは汗でびっしょりだ。ということはもっと早く来ないといけない。ペインはウェストブルックには内緒で作戦を開始した。

翌日、早く来たがウェストブルックは既にいる。もっと早く来ないといけない。

次の日、ウェストブルックはいない。勝った。

さらに次の日、またいない。2日連続で勝った。

また次の日、同じ時間に行くとウェストブルックはそこにいた。弟子に2日連続で負けたことに気付き、3度目はないことを分からせたのだ。ペインは勝てなかった、というよりも異常に負けず嫌いな男がルーキーに負けるわけはなかった。

あの人がどれだけ長い時間起きてるかは分からないよ笑

 キャメロン・ペイン

※ウェストブルックには勝てなかったもののシーズン中、ペインはDJ・オーガスティンからバックアップPGの座を奪いプレータイムを勝ち取った。

師弟でもあり良きライバルでもあった2人だが、2017年ペインがブルズへトレードされたことでコンビ解消となった。

そして、冒頭の通りその後ペインはどん底を見ることになる。

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どん底からの帰還

2019年秋、中国に到着したペインと彼女は合計6つのスーツケースを引きながらホテルまでの長い道を歩いていた。しかし、やっとの思いでたどり着いたホテルには全てのスーツケースが入りきらなかった。

NBAの環境が当たり前だと思っちゃいけないんだ。些細なことにも感謝できるようになった。

 キャメロン・ペイン

その後、Gリーグのテキサス・レジェンズからオファーがあり帰国しCOVIDの影響でシーズンが中断されるまでペインは平均24得点、8アシストの活躍を見せる。

シーズン中断の後、NBAバブル開幕が決定するとペインがコールアップされる期待が高まったが、レジェンズの上位組織マーベリックスがサインしたのはトレイ・バークだった。

それが自分にとっての終わりを意味すると思ってた。

 キャメロン・ペイン

そんなペインに手を差し伸べたのがチームがあった、ルーキー時代に「ラスより先に練習場に行きなさい」と言ってきたあのモンティ・ウィリアムスがHCを務めるサンズだ。

当時もちろんコーチの指示は聞いてたさ。でもオレは若かった、あらゆる視点で考えていなかった。

 キャメロン・ペイン

モンティはただ「練習しなさい」と言いたかったわけではなかった。ウェストブルックほどの選手になるためにはどれだけのことをやらないといけないかをペインに分かってもらいたかったのだ。

今のペインはそれを理解している。モンティからの電話で準備ができていることを伝えると、8試合で平均10.9得点、3アシスト、FG48%、3P51%の活躍を見せバブル無敗のサンズに大きく貢献した。

そして、今季サンズに残留するとリーグトップ争いをしたチームのローテーション選手として定着した。一年通して試合に出続けたのはキャリア初だ。

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今、ペインが思い出すのは中国に着いてすぐにサム・プレスティ(ペインをドラフトした張本人)から送られてきたテキストだ、そこにはこう書いてあった。

「私は君をずっと見てるぞ、帰ってこいよ」

1年間で3度のカットを経験し涙を流し、リーグに居場所がなくなった男がどん底から帰ってきた。

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師匠

フェニックス・サンズ

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