ベイズリーの成長
今季、ダリアス・ベイズリーはエース級の選手とのマッチアップをチームに志願している。
ヤニス・アデトクンポ、ケビン・デュラント、アンソニー・デイビスと言ったサイズと機動力を兼ね備えた選手から、タイラー・ヒーローのようなガードの選手までタイプはバラバラだ。
少しずつ自信がついていってるよ、毎試合のようにすばらしいプレイヤーにマッチアップしてるからね。そのチャレンジを引き受ける準備はいつでもしてる。それがモチベーションにもなってる、知っての通り相手を止めるのは大事なことだから。
ダリアス・ベイズリー
ベイズのディフェンスには光るものがある。めちゃくちゃ身体能力が高いし、動けて1番から5番まで守れる。みんながそれを知ってるし、ベイズを信じてる。オレたちには毎ポゼッション、あいつのディフェンスが必要だ。シーズンが進むにつれて上達しているしね。
シェイ・ギルジャス・アレキザンダー
ベイズリーの機動力&守備範囲の広さを表すスタッツがある、それは3Pシュートに対するディフェンスのスタッツだ。
ベイズリーは今季ここまで(2021年12月15日時点)、3Pシュートブロック数7本(リーグ3位)を記録。また3Pシュートを106回チェック(リーグ7位)している。
3Pだけではなく合計でも31ブロックを記録しており、インサイドでも存在感を示している。(31ブロックはリーグ19位の数字でこれより上位にはベイズリーより身長が高い選手しかいない)
ゴベアが素早くスリップ(スクリーンをかけるふりをしてリムに向かうプレー)したときはいつでもベイズが後ろにいてくれたんだ。ベイズがどんな相手にもああやってブロックを決められることは知ってる。すばらしいディフェンシブプレイヤーだ、これからもブロックをかましてくれるはずだ。
ジェレマイア・ロビンソン・アール
昨季が合計25ブロックなので、ディフェンス面で大きな飛躍している。
今シーズン、ベイズのディフェンス面の成長は著しいよね。オフボールディフェンスのときの反応の早さ、オンボールディフェンス、リバウンドを見てきた、チームでも屈指のディフェンダーだ。
タイ・ジェローム
ここ最近のベイズのディフェンスは本当にすごい、あの身体能力と長さがあればものすごいディフェンダーになれる。ベイズのことが誇らしいんだ。
マイク・ムスカラ
そんなベイズリーのブロックを深堀をしていくとおもしろいスタッツを見つけた、あるカテゴリーでベイズリーはリーグトップなのだ。
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ベイズリーのスペシャリティ
ベイズリーは”BLK REC%”というスタッツでリーグトップだ。
ブロックリカバー率、つまりブロックした後に自チームがボールを保持する確率のことである。
例えば、上埋め込みTweetレブロン・ジェームスの豪快なチェイスダウンブロックはブロックした後アウトオブバウンズで相手ボールとなるのでブロックリカバーは記録されない。
現時点でブロックリーグ1位のマイルズ・ターナーのBLK REC%は64.1%。ブロックした後、大体3回に1回は相手ボールになっているということになる。ブロック数リーグトップ5の選手をBLK REC%付で並べると以下の通り。
- マイルズ・ターナー 78ブロック BLK REC% 64.1%
- モー・バンバ 61ブロック BLK REC% 55.7%
- ルディ・ゴベア 56ブロック BLK REC% 66.1%
- アンソニー・デイビス 54ブロック BLK REC% 48.2%
- ジャレン・ジャクソン 52ブロック BLK REC% 50.0%
上位陣がよくても6割台なのに対して、ベイズリーのBLK REC%は83.9%。
8割越えはリーグでベイズリーしかいない(min.20ブロック)、ベイズリーがブロックをすると味方ボールになるのでそこからサンダーのオフェンスが生まれる。
(後半逆転し勝利したピストンズ戦後のコメント)3Qにベイズがいいブロックをして、そこから少し流れが変わった。オレたちに必要としていたブーストで、あとは流れに乗っただけだ。
ケンリッチ・ウィリアムス
何がこのスタッツに繋がっているかは正直分からない。「最後までプレーする」というコーチの教えがチームに浸透している結果なのか、ベイズリーの反射神経がいいのか、たまたまなのか。
とにかく残りのシーズンもベイズリーのブロックには注目。
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ベイズリーのこれから
ベイズリーはディフェンスで成長を見せる一方でオフェンスでは苦しんでいる。
FG37.6%、3P28.7%という絶望的な確率に加え、3Pで酷いエアボールをしたり、ワンパターンのドライブを何度も止められたりと内容も芳しくない。
記者からマーク・ダグノートHCに「ベイズリーをスタートで起用し続けるのか?」という質問も出たほどに。
しかし、これに対しダグノートは「(ベイズリーのベンチ起用を)考えていない、ディフェンスがその理由だ」と答えた。
ビリー・ドノヴァン時代からサンダーではディフェンスができない選手は試合に出られないと言い続けられていた。
NBAでは若い選手、特にルーキーには“同じポジションでマッチアップする可能性がある全ての選手を観察しなさい”と言う。なぜなら試合に出たらシュートを打つ機会よりもそうした選手を守る機会の方が多いからだ。“シュートがよく入ったからいいプレーができた”と言うが、多くの選手がディフェンスで穴になるとプレータイムをもらえない。若手は自分のポジションの選手を守れるようにならないといけない。
ビリー・ドノヴァン
オフェンスで苦しむベイズリーだが、苦しむことができるのはディフェンスで頑張っているから。
今のサンダーにはもがき苦しむベイズリーを見守る時間があるし、ベイズリーは苦しむ権利を自らのディフェンスで手にしている。(そもそもサンダーでオフェンスで苦しんでいない選手はマイク・ムスカラ以外存在しないが)
ベイズリーが自ら掴んだチャンスを活かしてジェラミのように攻守で優れた選手に成長できるかどうか、はたまた別の選手にポジションをとって代わられるのか。ベイズリー次第。
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