【ドラフト2021】オースティン・リーブス ~人口1,200人の田舎町から大舞台へ~

2021年ドラフト候補生&オクラホマ大学のエース、オースティン・リーブスについて。

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“カルーソばりのピュアな自信”

リーブスは2018年に2年間在籍していたウィチタステイト大学からオクラホマ大学へ転入し、1年間の休止(NCAAの転校ルール)を経て2年間オクラホマ大学のエースとしてプレーしてきた。つまり、大学5年生。

身長196cmのコンボガードで強みは自信に満ちた攻撃的な姿勢。ただ強気なだけではなく、ポイントガードとしてのハンドリングやパススキルも持ち合わせており、オフェンスムーブも多彩。最終年は1試合平均7本以上フリースローを打つなど、タフさもある。

(The Athleticでは“アレックス・カルーソばりのピュアな自信を持ち合わせている”と評されていた。)

シーズン所属PTSREBASTFG%3P%FT%
2016-17WICHITA
STATE
4.11.81.144.850.975.7
2017-18WICHITA
STATE
8.13.12.045.042.582.7
2018-19OKLAHOMA
2019-20OKLAHOMA14.75.33.038.125.984.8
2020-21OKLAHOMA18.35.54.644.330.586.5

大学時代のスタッツを見ると外のシュートがマイナス要素にも見えるが、これはオクラホマ大学時代はほぼプルアップでシュートを打っていたから。2020-21シーズンのキャッチシュートEFG%は61.1%で、FT%やウィチタステイト時代の3P%からも分かるようにシュートは弱点ではない。

オクラホマではキャッチから攻める機会はあまりなかった、3Pラインの何歩も後ろからボールを持ってプレーしていたからね。

でもそのおかげでアイソレーションスコアラーとして成長できた。自分自身で自分を守ったらどう守るかを分かっているから、常にその先を行くことを意識していた。コースに入られることは分かっていたから、クロスオーバーするだけだ。

 オースティン・リーブス

そんなリーブスが参考にしている選手はCJ・マカラム。

CJ・マカラムは周りほど大きくなくても、自分の得意なプレーに持ち込んで大きな選手相手にシュートを決める。バスケットボールの試合をたくさん見て学んだことを練習する。練習したら結果が出るはずだからね。

 オースティン・リーブス

サンダーレジェンドのあの選手と名前は似ているが血縁関係などではない

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「自分は他の誰とも違う」

リーブスは人口1,200人ほどの小さな町アーカンソー州ニューアークで生まれ育った。

高校時代は4年間で3度の州チャンピオンに輝き、128勝16敗という圧倒的な成績を残すも高校最終年になるまでAAU(いわゆるクラブチーム)でプレーをしていなかったため大学からのリクルートは少なかった。それどころか高校生のリーブスはAAUの存在すら知らなかったのだ。

自分のストーリーは他の誰とも違う。家族は牧場を持っていて、祖父は牛を育てている。とは言っても自分はいつも何かしらスポーツをしてきたから牧場には携わっていないけどね。自分に子どもがいたら、同じ思いはさせたくないかな。いつも自分が知りさえもしなかったを情報を持っている人が周りにいる。AAUのことなんて知らなかったから、自分のプレーもどんな選手かも見てもらえなかったんだ。

 オースティン・リーブス

高校の同級生は52人だけだった。自分は3年生で15cm近く身長が伸びるまではずっと学年一のチビだったから、大きい選手を相手にするのには慣れてるよ。高校時代は、ものすごい活躍をしてもリクルートされることはなかった。73点取った試合もあったし、4日間のトーナメントで平均49点取ったこともあった。それでも、認知してもらうことができなかったし、周りには細すぎるって言われてたんだ。

 オースティン・リーブス

田舎故の苦労もしてきたが、ようやく高校最終年でウィチタステイト大学からオファーがあった。

ウィチタステイトではキャッチ&シュートやディフェンスなどが仕事のいわゆるロールプレイヤーとしてプレー。チームメイトにはランドリー・シャメットがいた。

ウィチタステイト時代のリーブスはキャッチシューター、前半だけで7本3Pを決めた試合もあった

そして、人生で初めて町を出たリーブスには田舎出身故の?おもしろ話もある。

みんなが使っているし、今は自分も使っている“Say less”とか“Bet”なんて言葉を聞いたことがなかった。チームメイトとご飯に行ったときにそいつが財布を忘れたから代わりに払ったら“Good looks”(いわゆる“Thank you”のスラング)って言われたけど意味が分からなかったんだ。そのときは何も言わなかった。寮に帰った後に意味を聞いたら“何言ってんだこいつ”って感じだったよ。そこからは意味が分からなかったらなんでも聞くようにしてた。今、地元に帰って今風の喋りをすると周りの友だちみんなが意味を聞いてくるんだ。

 オースティン・リーブス

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シューターからエースへ

シューターだったリーブスの役割はオクラホマ大学に転校すると大きく変わった。

ロン・クルーガーHCはリーブスが高校のときに類まれな才能を持ったスコアラーだったことを知っていたのだ。

全てにおいて彼はものすごい。オースティンのスキルやメンタリティー、本能、シュート力全部が好きだ。オースティンがやってのけていることを他の選手にも求められるかどうかは分からない、本当にレベルが高いからね。

 ロン・クルーガー

そんなクルーガーHCのもと多くを任されたリーブスは期待に応え成長を続けてきた。

コーチは選手に判断させてミスをさせ、そしてそこから学ぶように教える。自分はミスがどれだけ人を成長させるかを分かってる。自分の役割を広げたかったから、そんな環境でバスケットボールができて恵まれていた。コーチクルーガーからたくさん学んだし、コーチも自分を信じてくれたんだ。

 オースティン・リーブス

クルーガーは「ボールを持ちすぎ」「シュートを打ちすぎ」などと批判されることもあったトレイ・ヤングにプレーを変えるなと教えてきた、リーブスの言葉通り選手の自主性を重んじるコーチ。今シーズン限りでHCを退職した際にトレイは「自分がもっと長く大学にいたらオレたちはすごいデュオになっていただろうね」とTweetした。

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リーブスにとってオクラホマ大学で最後の試合は第1シードのゴンザガ大学だった、リーブスにとってはちょっとした縁のあるチームだ。

ゴンザガは実は高校生の自分に接触してきたチームの一つだった。スカウトとも2ヶ月間ほどやりとりしていたけど、ある日連絡が来なくなった。リクルートってそんなもんなんだよ、自分にとっては夢の大学だった。そのときは自分をリクルートしなかったことを間違ってたって証明したかったんだ。

 オースティン・リーブス

勝利こそつかめなかったが、言葉通りリーブスは27得点を奪い強烈なインパクトを残し大学バスケットボールキャリアに幕を閉じた。

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そして、リーブスはNBAドラフトエントリーを宣言した。

自分がどこからのし上がってきたかを話したら、みんなクレイジーだって言うだろうね。でもいつでも自分を信じてきた、自分に才能も能力があることも分かってる。ただただチャンスが必要なだけだった。

 オースティン・リーブス

人口1,200人の小さな町から大舞台へ、自信はたっぷりだ。

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2021年ドラフト

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