今季2度目のオールスター&初のオールNBAチームに選ばれ既にリーグの顔とも言える選手になったトレイ・ヤング。
2022年のドラフト候補生にトレイ・ヤングの“先輩”がいるとしたら驚くかもしれない。それが大学6年生でこの秋25歳になるドラフト候補生、キャメロン・マガスティーだ。
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プロフィール/プレースタイル
- 出身地 :テキサス州ケイティ
- 所属 :オクラホマ大学➡マイアミ大学
- 年齢 :24歳(1997年9月9日生)
- 身長 :195㎝
- 体重 :86㎏
- 指名予想:2巡目下位~ドラフト外
シーズン | 所属 | PTS | REB | AST | FG% | 3P% | FT% |
2016-17 | OKLAHOMA | 10.9 | 2.2 | 0.9 | 43.0 | 35.2 | 77.8 |
2017-18 | OKLAHOMA | 8.0 | 1.9 | 0.3 | 42.3 | 33.3 | 75.0 |
2018-19 | MIAMI | – | – | – | – | – | – |
2019-20 | MIAMI | 12.5 | 4.0 | 1.6 | 43.5 | 32.8 | 75.0 |
2020-21 | MIAMI | 13.3 | 3.8 | 2.8 | 44.5 | 32.0 | 82.1 |
2021-22 | MIAMI | 17.8 | 4.9 | 2.4 | 47.6 | 35.5 | 81.4 |
マガスティーの強みはスコアリング能力。
The Athleticドラフトアナリストのサム・ヴェシーニはマガスティーのスムーズなジャンプシュート、左右に振れるフットワーク、そして体幹の強さを高く評価。ハーフコートオフェンス時のゴール下成功率60%&ミッドレンジから80得点とコートのどこからでもシュートをクリエイトできる“three-level shooter”と称した。
同じくThe Athleticジョン・ホリンジャーもスコアリング能力を高評価。加えて、体が強く手を出すのが上手い(今季スティール% 3.1%を記録)ディフェンスも評価していた。ホリンジャー曰く、強豪チームの2way契約にもってこいの選手。
一方でネックとなるのはやはり年齢。
大学3年時に転校の関係でプレーしていないのに加え、コロナで短縮シーズンとなった埋め合わせで1年多くプレーしているため今年が大学6年生。例えば、今夏サンダーに入団したとしたらチーム6番目の年長者となる。
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バックグラウンド
トレイ・ヤングのルームメイト
高校時代、あるトーナメントでマガスティーのチームはオクラホマを訪れていた。そこで当時オクラホマ大学の監督ロン・クルーガーから勧誘を受けたマガスティーはコーチングスタッフと大学キャンパスを気に入りオクラホマ大学への入学を決める。
1年目からスタートで出場し、平均10得点を挙げカンファレンスのルーキーチームに選出されるなど順調な大学キャリアの滑り出しだった。マガスティーが2年生になると環境がガラリと変わる。
環境を変えたのは地元ノーマンノース高校のスター選手トレイ・ヤングの入学。
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クルーガー監督は年も近く、バスケットボールに対してヤングと同じくらい熱い気持ちを持っていたマガスティーをヤングのルームメイトに指名。2人が初めて出会ったのはヤングが入学する前のオフシーズン中のワークアウトだったが、そのときには既に意気投合していた。
ルームメイトとなり、ヤングの振る舞いや努力を間近で見ていたマガスティーはそこでプロになるために必要なことを学ぶ。
トレイが日々自分に厳しくしていたのを見ていたし、コミュニティー活動に精を出していたのも知っている。トレイがやっていた全てを見て、あのレベルに行くにはここまでやらないといけないということを知ったんだ。取り組む姿勢、マインドセット、掲げた目標、その全てがすごかったからトレイはプロになったんだ。
キャメロン・マガスティー
2人はいつも夜遅くまでRaising Cane’s(ヤングお気に入りのファストフード店)で将来を語り合っていた。
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ヤングはNBA入り&マガスティーはマイアミ大学へ転校したためコンビは1年で解消となったが、2人の友情は5年経った今も続いている。
今季、マガスティーがアトランタで試合を行った際にはコートサイドに駆けつけたヤング。試合後には「オレがオクラホマ大学に入学したのはキャムがいたからっていうのもあるんだ」とTweetした。
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そして、今夏満を持してドラフトエントリーをしたマガスティーはヤングと再びチームメイトになる可能性について聞かれこう答えた。
実現したらクレイジーだ。5年前一緒に住んでてたくさんの思い出があるし、一緒にプレーしてコート外のことも知ってる。大学だけじゃなくて、次のステージでも一緒にできたら最高だね。
キャメロン・マガスティー
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「弱みを強みに変えたい」
マイアミ大学では最終年度にチームを初のエリート8に導くなど、エース&キャプテンとしてチームを引っ張ったマガスティー。攻守両面で評価は高いがNBAのどのチームからも懸念事項として挙がってくるのは9月で25歳になる年齢。
しかし、本人はそれを強みにしたいと語る。
自分の年齢や成熟したメンタルが強みなんだ。オレについての評価を聞くと“年齢がディスアドバンテージだ”とあるけど、それをアドバンテージに変えられるところを見せたい。ロッカールームガイにもなれるし、ベンチにいる選手の助けにもなれる。声を出してチームを引っ張ることもできる、自分の経験を若い選手に伝えることもできる。
キャメロン・マガスティー
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マガスティーには他のどんなドラフト候補生よりも様々な経験を積んできた自負がある、中でも大きいのがオクラホマ大学での経験だ。
当時19歳のマガスティーにとって、ヤングとのプレーはいいことばかりではなかった。1年生時はスタートで中心選手としてプレーしていたのが、2年生になるとベンチからの出場でオフボールのプレーを求められたから。
カンファレンスのルーキーチームにも選ばれていい1年目を送った、得点もチームトップだったしベストプレイヤーの1人だったんだ。でも2年目にトレイ・ヤングが入学すると自分はボールを持つ時間が少なくなった、トレイがボールを持ってプレーを作るからね。当時自分は19歳だったから、上手く受け入れられないところもあって少し精神的にも来てた。でも今、年を重ねて思い返すとあのおかげで今の自分があるし、次のレベルに行くための準備をすることができた。NBAでも始めは違う役割を求められるからね。
キャメロン・マガスティー
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大学1年生のときは期待のルーキー、2年生ではロールプレイヤー。転校後は3年生時にレッドシャツ(公式戦不出場)、そして4年生以降はチームのエース&リーダー。
様々な経験してきたオールドルーキーは次のステージでどんな役割もこなす準備は万端だ。
自分のプレーはNBAでも通用すると思ってる。サイズもあるし体も強い、メンタル面でもスキル面でもNBAのどのチームでも馴染める。出場時間が5分だろうとすぐにチームの力になれるし、試合に出られなくてもコート外からでもチームをサポートできる。そこで自分の経験を活かせるんだ。
キャメロン・マガスティー
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