先日、プレーインでロサンゼルス・クリッパーズが負けたことによりオクラホマシティ・サンダーは12位指名権(正確には12位指名権が手に入る可能性が86.1%のオッズ)を手にした。
実はサンダーは12位指名に深い縁がある。
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サンダーと12位指名
2003年
2003年に12位指名を受けた選手はニック・コリソン。(指名したのはサンダーではなく、シアトルスーパーソニックス)
言わずと知れたMr.サンダーは名門カンザス大学で4年間プレー。
同郷アイオワ州出身のカーク・ハインリックと共に3・4年生時と2年連続で全米ベスト4まで駒を進め、4年時にはカンファレンスの得点記録を更新するなど全米屈指の選手として名を馳せていた。
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レブロン・ジェームス、カーメロ・アンソニー、ドウェイン・ウェイド等、後のNBAを担う選手を輩出した大豊作2003年ドラフトでも12位指名という高い評価を受けたコリソン。1年目は肩のケガで全休となったが、その後長きに渡りチームに貢献する偉大なプレイヤーとなった。
オールスター選手を除き、1つのフランチャイズで1,000試合以上プレーしキャリアを終えた選手はコリソンのみ。(ユドニス・ハスレムもこのままヒートで引退したらこの条件を満たすことになる)
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2013年
2013年に12位指名を受けたのはスティーブン・アダムス。
ピッツバーグ大学でプレーしていたアダムスは高さ・強さと走力を兼ね備えたビッグマンとしてスカウトから注目を集めていた。
後に本人は大学時代のプレーを「自分の大学時代のハイライトビデオにはダンクかゴール下のプットバックのどちらかしかないはずだ。それは自分がやりたかったバスケットボールではなくて、強いられていたものだった」と不満気に振り返っていた。
ピッツバーグ大学での1年が終わった後、その進退が注目される中アダムスは決断を下す。
最後のメディアセッションでリポーターに2年目もピッツバーグでプレーするか聞かれた。自分はもちろん戻ると伝えた。“なぜみんながその質問を聞き続けるのか分からない、戻ってくる”と言ってね。
その12日後、2013年ドラフトにエントリーすることを発表した。
スティーブン・アダムス
Steven Adams『MY LIFE, MY FIGHT』(2018) hachette BOOKS, p.113
2013年ドラフトでサンダーに指名されたアダムスはコート上ではスタッツに表れない地味なプレーをこなす縁の下の力持ちとして、コート外ではおもしろキャラクターとしてチームからもファンからも愛される選手となった。
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その他
2000年ドラフト12位指名のイタン・トーマスはオクラホマ州タルサ育ちで2009-10シーズンにサンダーでプレーした選手。
昨年はサンダー公式ポッドキャストに出演するなど、サンダーとの関係は深い。
2004年12位指名のロバート・スウィフトはサンダー初期メンバーの1人。父親が日本とアメリカのハーフということもあり?、bjリーグの東京アパッチでもプレーしていた。
2012年12位指名はジェレミー・ラム。コネティカット大学時代にケンバ・ウォーカーと共に全米制覇、ヒューストン・ロケッツにドラフトされたがジェームス・ハーデン絡みのトレードでサンダーに入団し2015年までサンダーでプレーした。
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サンダーの運
サンダーは”Repositioning”が始まった2020年から、この2年で他チームの1巡目指名権を3つ手にすることになる。
2021年 | マイアミ・ヒート | 18位指名権 |
2022年 | ロサンゼルス・クリッパーズ | 12位指名権 |
2022年 | フェニックス・サンズ | 30位指名権 |
※2021年ボストン・セルティックス16位指名権も保持していたがトレード済
ここまでタイミング的にはかなり運がよく、例えばマイアミ・ヒートの指名権が昨年でなく今年だったら指名権は28位指名権に、クリッパーズの指名権が今年ではなく昨年だったら25位指名権になっていた。(運がいいというのは他チームの選手のケガや不調に対してではなく、手にした指名権の年次に対して)
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昨年は18位指名権でトレイ・マンを指名、メインハンドラーとしてもオフボールのシューターとしても活躍が期待できる優秀な選手を獲得した。
今年持つ12位指名権はコリソン、アダムスの指名順位と聞くとサンダーファンとしてはいやが上にも期待が高まる。2人のように球団を代表するような選手の獲得に期待したい。
(ただし、クリッパーズの指名権は7.1%の確率でTOP4指名権に、6.8%の確率で13,14位指名権に変わる。加えて、トレードの可能性もあるので実際12位で選手を指名できるかどうかは不明)
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2022年ドラフト
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スティーブン・アダムス